令和6年度(2024年度) 広島大学情報科学部編入体験記

広島大学情報科学部に合格をいただいたので体験記を書きます。この記事が来年度以降の編入試験に役立ったら嬉しいです。

 

 

自己紹介

  • 出身:四国の高専 電子制御工学科
  • 席次:1年1位 2年1位 3年1位 4年1位
  • TOEIC

  ・公開テスト790点(L440,R350)(4年1月)  

  ・IP800点(L445,R355)(5年4月)

  • 受験した大学:

 ・大阪大学基礎工学部情報科学

  ソフトウェア科学コース(不合格)

 ・大阪大学工学部電子情報工学

  情報通信工学科目(合格)

 ・広島大学情報科学部(合格)

 ・徳島大学理工学部知能情報コース(合格)

編入試験までに、高専でどのように過ごしていたか、どのように勉強していたかについては、後でまとめて追記しようと思います。

志望動機

  • 大阪大学を第一志望にしており、入学確約書の提出が遅く、試験内容もほぼ阪大と被っており、滑り止めとして最適だったから。
  • 情報について学べる関西圏の大学に行きたかったから。
  • 興味のある研究室があったから。

試験内容について

TOEIC(TOEFL)、筆記試験、面接、成績の4つを評価基準としている。以下に特徴を述べておきます。筆記試験については過去2年分の過去問が上がっているのでリンクを貼っておきます。

www.hiroshima-u.ac.jp

TOEICはIPも提出可能。点数換算の基準は明らかではないが、僕のように滑り止めとして受ける人がいることや情報系の人気を考えると600点以上は必要かもしれない。

  • 筆記試験

なんと試験時間が2時間半もあります。そのため時間のかかる問題が多くなる印象。大問5問構成の試験。過去問は僕が過去問を解いて感じた、大問それぞれの傾向を以下に示しておく。

・大問1

微分方程式が頻出。過去問では二階線形微分方程式が出題された。それに加えて確率統計に関する小問が出ていた。

・大問2

微分積分の問題。重積分極値問題が出題される傾向

・大問3

線形代数の問題。線形独立の証明から固有値固有ベクトルに関する問題など幅広く出る印象がある。

・大問4

確率統計の問題。幅広く学んでおく必要がある。特に統計量(平均,分散など)の式証明がよく出ていた。

・大問5

C言語のプログラミングの問題。プログラムの穴埋め、関数を作る問題。ポインタの理解が大事。

 

以上より、確率統計が特に重要になってくる試験だと思う。

 

  • 面接

口頭試問を含む。口頭試問は特に傾向は定まってなく対策が難しい。僕が知っている範囲では、過去に、機械学習に関する問題、ポインタに関する問題が出たらしい。面接は志望動機、卒研内容、大学で何をしたいか、などの典型的な質問を答えることができたら十分。

 

試験当日

出願人数は29人。受験人数26人でした。募集人数5人であるので倍率は5.2倍でした。

  • 筆記試験(9:30~12:00)

傾向通りでしたが全体的に難化していました。時間のかかる問題が増えた気がします。実際の問題は過去問として既にWebサイトに載ってます。以下に詳細を述べます。

・大問1:

(1)線形の連立微分方程式
(2)回転行列を三乗したときに単位行列となるθを求める
(3)(母数の推定量-母数)^2の期待値を分散σ^2とb=μ-θ(μは平均)を用いて表す問題。


(3)が途中でうまくいかなかったので8割。

 

・大問2:

(1)ガウス積分の証明
(2)二変数関数f(x,y)が与えられ、その最大値と、最大をとるときの(x,y)を求める。
(3)f(x,y)の広義二重積分。(1)の関係をうまく用いる

 

(2)でf(x,y)の偏微分が面倒で時間がかかったが全て解けた。10割

 

・大問3:

未知数α,β(実数)として3次正方行列A={[1 α β],[α 1 β],[β α 1]}とする。

(1)Aの固有値を求める。行列式の変形がコツ。
(2)大きさが1のベクトルの中で二次形式の関数を最小にするベクトル、またその最小値を求める。
(3)Aのすべての固有値が正であるとして、log{detA}+tr(A^-1)を最小とするαとβを求める。

 

とても難しい問題であった。(1)しか解けていない。周りも解けていないようだった。(2)(3)は時間が足りなかったので方針だけ書いた。後で解きなおしたがその方針であっていたので約4割。

 

・大問4:

yi=axi+b(i=1,2,...,n)について、yの統計量をxの統計量を用いて表す問題

(1)yの平均をxの平均x、xの標準偏差sx、a,bのうち必要なものを用いて表す。
(2)yの標準偏差をxの平均、xの標準偏差sx、a,bのうち必要なものを用いて表す。
(3)共分散をxの平均、xの標準偏差sx、a,bのうち必要なものを用いて表す。
(4)相関係数rの値を求める。yi=axi+bの関係から、rが1or-1になるのは明らか。aが正か負かの場合分けに注意。
(5)yの平均が0,yの標準偏差が1であるようなa,bをxの平均、xの標準偏差sxを用いて表す。
(6)x1,x2,...,xnのうち、平均から±2sxの幅に含まれる得点の割合はどの程度か。

 

(1)から(5)はできた。(6)は暗記問題であり、覚えてなかったのでできなかった。配点は低いと思われるので9割。

 

・大問5:

配列x={0,14,6,1,2,8,10,13,7,15}について、バブルソートクイックソートを行うプログラムについての問題

(1)引数として与えられた配列の要素を表示する関数を作る。
(2)xをバブルソートクイックソートでソートしたとき、それぞれについて、入れ替えを行う関数swapが何回呼び出されるか。
(3)二つの引数の値を入れ替える関数swapを作る。引数はポインタ。
(4)バブルソートクイックソートを行う関数について、要素を降順に並べるようにするにはどこをどのように変更すればよいか。

 

(2)で実行結果を書き下すのに時間がかかっただけ。10割。

 

  • 面接(13:30~)

受験人数を3分割して、3部屋で並行して面接が行われた。時間は体感10分いかないくらい。タイマーで時間を測っていた。面接官は2人でした。聞かれたことを以下に示します。

 

  • 受験番号と氏名は?
  • 志望動機
  • 志望動機の深堀り

これらの質問の後、質問する人が変わり、口頭試問に入った。内容は以下の通り。

  • 構造体とは何か、そしてそれを使うメリットは?
  • 構造体とクラスの違いは?

時間が余ったので自己アピールをしてくださいと言われた。自己アピールをした後、それでも時間が余ったので数学の好きな公式を聞かれた。オイラーの公式について語っていると、途中でタイマーが鳴って強制終了。

 

口頭試問については、去年はポインタについて聞かれたという情報から、次は構造体だろうなと予想していたら当たってました。予想していた内容そのままだったので、完璧な回答ができました。面接官も完璧ですねと言ってくれてうれしかったです。

 

結果

合格でした。合格者5人の枠に入れてるかとても心配でしたが、例年と違い8人も合格していました。僕の編入受験において、一番最初にいただいた合格だったので嬉しかったです。

 

伝えたいこと

  • 広島大学情報科学部は調査書の提出がないので、高専で何をやってきたかを伝えたい場合は面接で言う必要がある。
  • 他の大学受験にも言えますが、腕時計を忘れないこと。基本はどこの試験会場にも時計はないです。特に広大情報科学部は筆記試験が2時間半と長く、時計がないと時間管理ができず厳しい戦いになってしまう。
  • わからない問題は、こうやったら解けそうという方針でも書いておくと部分点がもらえるかもしれない。後悔のないように書けることは書いておくべき。

 

何か質問があればX(Twitter)で(@aomidro3106)に遠慮なくDMしてください。読んでいただきありがとうございました。